(1)デンタルプラーク(歯垢)
歯周病の直接の原因はデンタルプラークです。
デンタルプラークは多くの種類の細菌が増殖してかたまりとなったもので、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取したりすると、細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面に付着します。
デンタルプラークは粘着性が強く、マウスウォッシュなどでうがいをした程度では落ちないので歯磨きを用いて物理的に取り除かなくてはなりません。
というのもデンタルプラークのプラークの部分、これを一番わかりやすく説明すると排水溝のヌメヌメのことです。これを綺麗にするには強力な薬液(ハイター等)かブラシでゴシゴシしなくてはなりません。当然ハイター等を口に入れることは絶対にできませんので、歯磨きで物理的に綺麗に取る必要があります。
また、歯垢は取り除かなければ硬くなり、歯石と言われる物質に変化し歯の表面に強固に付着します。これはブラッシングだけでは取り除くことができません。
歯周病細菌は酸素の少ない場所を好むため、主に歯周ポケットの中に存在します。そして、毒素や酸素を放出して歯周組織を破壊していき歯周病が進行していきます。
(2)リスクファクター(危険因子)
歯周病の直接の原因はプラークですが、「口腔内の環境」や「生活習慣」の中には間接的に歯周病を悪化させるリスクファクターと呼ばれる危険因子が潜んでいます。
歯周病が生活習慣病の一つといわれるのはそのためです。
【歯周病を進行させる因子】
- 糖尿病
- 喫煙
- 歯ぎしり、くいしばり、噛みしめ
- 不適合な冠や義歯
- 不規則な食習慣、ストレス、全身疾患(骨粗鬆症、ホルモン異常)
- 長期の薬の服用、免疫抑制剤を飲んでいる(免疫低下の状態)
- 部分的に歯がない
- 両親が若い時から入れ歯だった
- 口で呼吸することが多い
このような方は歯周病になりやすかったり、進行が速い傾向にあったりします。
歯周病予防には、適切な歯みがきでプラークを取り除くことが基本ですが、歯周病のリスクファクターを少なくすることも大切です。