予防歯科
予防歯科
予防歯科とは、虫歯や歯周病になってから治療するのではなくなる前に予防を行うために歯科医院へ通い検診を受けていただくことを言います。残念なことに日本は先進国の中でも歯の予防に対する意識が低く、予防歯科の概念があまり浸透していません。歯が痛くなってから歯科医院に行くのではなく、痛くなるまでに受診する。定期的にメインテナンスを受ける。毎日のセルフケアを怠らないなど、積極的に歯を守っていく姿勢が予防歯科の特徴です。
予防歯科の中心は定期健診とセルフケアです。フッ素塗布や口腔内診査、歯垢や歯石の除去(PMTC)、歯磨き指導などを行います。セルフケアだけでは、歯垢や歯石を完全に取り除くことができません。ちゃんと磨いたつもりでも、思わぬ磨き残しがあるのです。そのため歯科衛生士や歯科医から正しいセルフケアを教えてもらいましょう。
歯科医院での定期的な健診はとても大事です。しかし、実際に歯についてくる汚れ(デンタルプラーク)の99%は毎日のセルフケアで取り除いてもらうことになります。それくらいに毎日汚れがついてきますので、セルフケアも非常に大切なのです。
ブラッシングは、みがき残しを防ぐため、1本1本の歯を優しく丁寧にみがくことが基本です。患者様ごとにお口の中の状況は様々ですので、それに合わせたブラッシング方法もたくさんあります。
歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスを使用すると落ちやすくなります。糸状のデンタルフロスは、歯と歯のすき間に通して汚れを落とします。ホルダーがついた糸ようじと呼ばれるものもあり、形状もP型やY型があります。使いやすいものを選択してください。
歯間ブラシはデンタルフロスよりも歯と歯の間が広い場合に効率良くお掃除するために使います。様々な太さの歯間ブラシがありますので、ご自分の歯に合ったものを選びましょう。
キシリトールは、虫歯菌の増殖や歯垢の形成を部分的に抑える効果が期待でき、食後にキシリトール配合のガムなどを摂取することが虫歯予防に有効とされています。
歯磨剤は、世の中に数多くの商品が出回り非常に選択が難しいアイテムのひとつだと思います。歯磨剤は使わなくてもよい!と指導を受けたことがある方もいらっしゃるかと思います。実は、歯磨剤の最大の効果は『歯磨き習慣のモチベーション維持』と言っても過言でもありません。もちろん効能として、フッ素効果・知覚過敏抑制などを期待できる商品もあり、当然効果が無い訳ではありません。しかし、一番大切なことは正しい歯磨きの習慣であって、そのために味・匂い・泡立ち・さっぱり感・効能などからご自身のモチベーション維持に繋がる商品を選んでもらうと良いかと思います。
お口のスキンシップを通してお子様に虫歯菌がうつり、虫歯に感染してしまうのです。虫歯菌に感染しやすい時期は、生後1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月の間です。予防策としましては、この感染しやすい時期に、お子様と同じ箸やスプーンを共有しない、離乳食の際に咬み与えをしないなど、お口のスキンシップを控えることです。そうすることで成長した時の虫歯の本数を少なくすることができるのです。
またうつさないことと同時に、日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さい時は一緒に歯磨きを行うとともに、ちゃんと磨けているか確認と仕上げを、ご両親でしてあげましょう。また、小児歯科で定期検診やブラッシング指導を受けましょう。
お子様への虫歯菌の感染に十分注意しながら、成人まで虫歯のない健康な歯を維持することができた場合、一生虫歯のない健康な歯でいられる可能性が高いということがいえます。弱い歯になってしまうことで、将来選べる夢や職業が限られてしまうこともあります。ご両親としては、お子様の可能性を、選択肢を広げてあげることも大切ですよね。何より痛い思いをせずに済むのです。こんなにいいことはないのではないでしょうか。小さい頃から虫歯にならない習慣を身につけていきましょう。
妊娠中のママさんもお口のケアは十分にする必要があります。
近年、妊娠中の歯周病(妊娠性歯肉炎)は、早産および低体重児出産へのリスクが高まることがわかってきました。これらは妊娠中に増加する女性ホルモンのエストロゲンにより歯茎の炎症を起こしやすい環境になり、歯周病が非常に進行しやすい状況が整ってしまうのです。妊娠中期から後期にかけて女性ホルモンが増加するため、さらにリスクが高まります。出産とともに元には戻りますが、清潔な状態を保つことで炎症を抑えることができますので、プラークコントロールを心がけてください。歯周病は予防可能な疾患ですので、赤ちゃんのために確実な歯周病予防を行いましょう。
また、赤ちゃんの口内には虫歯菌や歯周病菌はありません。それなのに虫歯や歯周病になるのは、口移しやスキンシップによってお母さんや家族の細菌が感染するためです。また妊娠すると、つわりによって歯磨きがしにくくなり虫歯になるリスクが高まります。妊産婦の予防歯科では、そうした知識を知ってもらい、必要であれば出産前に虫歯や歯周病の治療をしてもらうとともに、子どもに歯磨きをきちんとするなどの正しい生活習慣を身に着けてもらうよう指導します。
妊娠初期はつわりがつらい、後期は仰向けになるのがつらいなどで、歯科治療を受けるのが難しい時期があります。安定期の5〜7ヶ月ごろに検診と合わせてクリーニングを受けましょう。
最適な予防歯科治療をご提供するために、視診、口腔内写真の撮影、歯茎の状態、お口の状態を正確に把握します。
歯の形状、歯並び、磨き方の癖などによって、磨いたつもりでも汚れが残ることがあります。染め出しによって実際のお口の中の磨き残し状況をペンスコープで撮影、患者様と確認しながら、その人に合ったブラッシング方法をご提案いたします。
飲食物の内容、接種回数により、虫歯のリスクが高まります。現状を確認し、必要な方に指導を行います。
フッ素はお子様の虫歯予防のために塗るものと思い浮かべる方もいらっしゃいますが、大人の虫歯予防にも、もちろん効果的です。
フッ素には、「歯のエナメル質を強化する」「初期の虫歯を治す」「虫歯菌の活動を抑制する」といった効果が期待出来ます。
歯石は歯の磨き残しが固まってできた塊のことをいいます。
日常のブラッシングでは取り除くことが難しいためスケーラーという歯科医院専用の器具を用いて歯の表面や歯と歯茎の間にある歯垢を取り除きます。
虫歯予防として行う目的だけではなく、歯周病の改善をする治療としても行います。
PMTCとは、歯科医院で行う専用機器を用いた歯のクリーニングです。
ご自身で行うブラッシングでは、届ききらない歯の隙間や磨き残しまで徹底的に綺麗にすることが出来ます。当院では、エアーフローと呼ばれる空気圧で細かい粉を歯面に吹きかける器具もございます。なかなか落ちにくいヤニや着色が多い方に使用しております。